過去の開催記録
試されるコミュニティ・スクール
-待ったなしの教育危機に経営学は何ができるかー
- 日 時
- 2023年6月25日(日)13:30-17:00
- 場 所
- ハイブリット開催
会場:神戸大学大学院経営学研究科本館2階208教室
オンライン:Zoom - 参 加 費
- 一般会員・学生会員:無料
非会員:事務局にお問い合わせください
概 要
コロナ禍が沈静化しつつあり、戻るべき日常は取り戻されてきている。しかし、戻らない日常も多くある。その一つが、初等教育であり、コロナ禍で失われた様々な教育機会が失われ、驚きや戸惑いを伴った教育危機として受け止められている。これはコロナ禍とは直接的な関係がなく、コロナ禍以前から生じていた問題が、コロナ禍を通じてあらわになったものである。こうした問題は教育学などの専門領域では議論されてきたが、経営学を含んだ分野外の研究者や、さらには一般的な市民(現役学生の保護者たちさえ)にも十分に届いていなかったのである。
本ワークショップでは、この問題を経営学の視点からひも解いていきたい。
第一報告では、神戸市教育委員会の三善公文氏にご報告いただき、学校経営の変容を通じて、初等教育の学校組織がコロナ禍以前から抱えていた問題点を整理するとともに、特に今日の学校経営の組織体制として要となるコミュニティー・スクール(学校運営協議会)と地域学校協働活動を理解する。コミュニティ・スクールでは、学校任せの学校経営から、保護者や地域、さらには企業が意思決定機関に参加することが求められる。他方で、学校では提供できない社会学習は、保護者や地域、企業など多様な主体による地域学校協働活動が求められ、それらが地域をも支えていく。この入れ子状の組織体制が示すように、教育危機を解決する手段として我々がコミュニティ・スクールを試しているのではなく、コミュニティ・スクール(および地域学校協働活動)が、我々が新しい社会のあり方をつくれるかを試しているのである。
第二報告では、この問題に対する産業界からのチャレンジとして、総務省の5G・IoTデザインガールの取り組みを大熊紀子氏よりご紹介いただく。コミュニティ・スクールおよび地域学校協働活動が、第一歩目でつまづくのは、PTA活動を行ってきた保護者はともあれ、地域や企業が一体どのような貢献ができるのかが分からないからである。このことは、少なくとも一昔前までは企業で働くビジネスマンが、家庭を母親に任せ、教育を学校に任せてきた社会制度にも由来するであろう。働く女性ならではの共感力で、現場視点の課題を探究することを武器としたデザインガールが、今日の教育危機に対して提唱する5G・IoTソリューションを報告していただく。
第三報告では、企業が教育に大きく関与できることを、コープおきなわの石原修氏にお示しいただく。コミュニティ・スクールは、今日的な学校経営の組織体制として掲出されるが、もともと教育組織は、学校長に大きな権限が与えられ、多様な教育ニーズに柔軟に対応できる制度が存在している。その代表的な制度が総合学習であり、もとより地域の共同活動に携わってきたコープおきなわでは、子どもたちに地域の課題を発見させ、これを解決する製品開発を続けてきた。そこでは、子どもたちの学びだけではなく、既存の利害関係を超えた企業間の協力が生まれ、新たな産業の創出にもつながりうることが示される。
*お申し込みフォームからお申し込みいただく場合は、ご連絡事項欄に「会場参加」もしくは「オンライン参加」のいずれか明示してください
*参加をご希望の方は、6/16(金)までに事前申込をお願いします
*事前にお申し込みいただいた方にメールにて事務局担当者から連絡いたします。お申し込み後1週間経過しても連絡がない場合は、不達の可能性がございますので、迷惑メールフォルダをご確認のうえ、お手数ですが、事務局までお電話にてご連絡お願いいたします
★会場アクセス 詳細はこちら(受付開始13:00より 受付にてお名前確認いたします)
プログラム
13:30-13:40 プロローグ 松嶋 登(神戸大学大学院経営学研究科 教授)
13:40-14:20 第一報告 三善 公文氏(神戸市教育委員会総務課政策係 担当係長)
14:20-14:30 休 憩
14:30-15:10 第二報告 大熊 紀子氏(5G・IoTデザインガール/
外資系コンサルティング会社勤務)
15:10-15:50 第三報告 石原 修氏(生活協同組合コープおきなわ
理事長スタッフ まち・ひと・ものづくりサポーター)
15:50-16:00 休 憩
16:00-17:00 パネルディスカッション
パネリスト:三善 公文氏、大熊 紀子氏、石原 修氏
モデレータ:松嶋 登
*状況により変更となる場合がございます