本ワークショップでは、Nestlé のグローバル展開における経営を題材に、グローバルと現地マーケット、経営と財務管理、という二つの軸を用いて議論を展開します。
グローバル化を志す日本企業にとって、現地マーケットのマネジメントをグローバルという観点で実践することは重要です。昨年、100年企業となったネスレ日本は、グローバル企業Nestlé の現地マーケットのマネジメントを100年間継続してきた稀有な存在といえます。今回は、同社のCEOとCFOにお越しいただき、グローバル企業のマネジメントについて、経営と財務管理の双方の観点から学びます。
　グローバル展開では、国内展開に比して、経営と財務管理という軸が重要になります。金利、リスク、成長率が異なるマーケット戦略を財務的にどのように評価し、コントロールしていくか。KPIとして何を使うか。考え方の背景は何か。本ワークショップでは、Nestléのファイナンスとコントロールの実例を教材として、グローバル・マネジメントについて議論します。同社のファイナンス部門の組織（House of Finance）における役割や人材育成についても示唆に富むお話をいただきます。
　成長を見込み新興市場に進出している日本企業は、いずれ市場の成熟化に直面します。そのときどうするか。高齢化と成熟化が進むマーケットを戦場とするネスレ日本は、いち早くこの難問に直面しました。グローバル企業として日本市場で成功することは、今後多くのマーケットにおけるマネジメントの参考になる。この考えの下、Nestlé本社とネスレ日本は、グローバル戦略と現地戦略に取り組んでいます。ネスレの取り組みから学ぶことで、遠くない将来に備えることができるでしょう。

・13：30－13：40

解題：砂川　伸幸（神戸大学大学院経営学研究科 教授）

・13：40－14：10

ご講演① 倉林　貴之氏（野村総合研究所 コンサルティング事業本部 上級コンサルタント）

「日系企業による海外展開の現状と課題」

・14：10－14：50

ご講演② トーマス・ケラー氏（ネスレ日本 CFO）

「Global & Market Business Strategy at Nestlé」

・14：50－15：30

ご講演③　中岡  誠 氏（ネスレ日本財務管理本部 執行役員 部長）

「Role of Finance & Control to drive Market Business Strategy at Nestlé」

～　ネットワーキング＆休憩（30分間）～

・16：00－17：00

QAセッション（Podium discussion）

倉林氏、中岡氏、ケラー氏、砂川

☆  ご講演③、QAセッションは、英語で行われますが、適宜通訳が入ります。