企業の成長戦略のためには、継続的な新製品開発が必要であり、研究開発は、製品の萌芽や新技術を創造する活動として重要性を持ちます。ＩＴやバイオといった業界は、次世代テクノロジーの分野として注目を浴びていますが、巨額の研究開発投資額に対する効率化の問題がクローズアップされています。すなわち、研究開発における複数プロジェクトの最適なポートフォリオ作成とその統合的なマネジメントが必要となってきます。さらに研究開発プロジェクトに対するリスクマネジメントも注目を集めています。　研究開発においては、新技術に関するマネジメント的な側面のみならず、技術の応用領域としての、最終顧客市場における製品をいかにイメージするかが重要性を増してきています。次世代テクノロジーの適用先としての市場をどう創出するかという意味で、広い意味でのマーケティングの視点も要請されることになります。

　そこで、本ワークショップでは、とくに医薬品研究開発ポートフォリオマネジメントの問題をめぐって、研究開発に関連する、複数プロジェクトの統合管理や、組織能力の開発、広義のマーケティング戦略、さらにリスクマネジメントの問題をとりあげ、実務家や研究者のそれぞれの視点から、活発に討議していくことにしたいと思っています。

　現代経営学研究学会第44回ワークショップは、「研究開発マネジメントと市場創造戦略」のテーマのもとに、去る12月6日に開催されました。会員、非会員にかかわらず、多数の方々にご参加いただきありがとうございました。実務家、研究者の立場から活発な討議が行なわれましたが講演及びパネルの内容は『ビジネス・インサイト』45号に記載されます。同誌掲載の研究論文とともに皆様のこの分野におけるご関心、ご理解が一層深まる契機となりますよう願っております。

13:30-13:55　問題提起
南　　知惠子（神戸大学大学院　経営学研究科助教授）

13:55-14:30　基調講演
井上　良一（ファーマ・マーケティング・コンサルタント）

14:30-15:05　基調講演
木曽　誠一（田辺製薬株式会社　研究本部研究企画部　主幹部員）

15:05-15:40　基調講演
古賀　智敏（神戸大学大学院　経営学研究科　教授）

15:40-16:00　コーヒーブレイク

16:00-17:00　パネル討論
〈司会〉南　　知惠子（神戸大学大学院　経営学研究科助教授）