今回のワークショップは、医療を経営学の視座で考えることを目的に企画致しました。もちろん、これまでにも、「医療経営」という言葉は使われてきました。とくに、最近は、高齢・少子化の中における健康保険制度をはじめとする医療制度の改訂、医療のIT化を含む技術革新の加速化などにより、医療経営に特有と思われる諸問題が数多く議論されるようになってきました。たとえば、SPD（医療材料の購買管理に関わるビジネスモデル）、電子カルテやクリニカルパス（医療品質改善を目的として、治療の手順を計画した日程表）などが医療経営に与える影響などです。

今回のワークショップでは、これらの問題を直接議論の対象とすることは考えていません。実際の医療経営の場でこれらの問題の解決が危急の課題となっていることは確かです。しかし、これらの問題を議論する場合にも、病院の経営戦略、戦略マネジメント、組織、マーケティングといった経営学の広い視座から考えるべきではないかというのが今回のワークショップの意図です。

病院経営に携わっていて、しかも経営学にご造詣の深い三人の方々に基調講演をいただいたのち、パネルディスカッションを行います。

本ワークショップは、大学・行政をはじめとしたパブリックセクターの方々にも参考になるものと考えています。医療関係者以外にも、これらの方のご参加を期待しております。
現代経営学研究所第47回ワークショップは、「医療経営を経営学の視座で考える」のテーマのもとに、去る9月18日に開催されました。会員、非会員を問わず、多数の方々にご参加いただきありがとうございました。実務家、研究者の立場から活発な討議が行なわれましたが、講演およびパネル討議の内容は『ビジネス・インサイト』48号に掲載されます。同誌掲載の論文とともに皆様のこの分野におけるご関心、ご理解が一層深まる契機となりますよう願っております。

13:30-13:55　問題提起
谷　　武幸（神戸大学大学院 経営学研究科教授）

13:55-14:25　基調講演
明石　 純（医療法人愛友会　明石病院　理事長）

14:25-14:55　基調講演
飯田　修平（ 財団法人東京都医療保健協会　練馬総合病院　院長）

14:55-15:25　基調講演
澤田　 勝寛（医療法人慈恵会　新須磨病院　院長）

15:25-15:45　 コーヒーブレイク

16:00-17:00　 パネル討論
〈司会〉谷　　武幸（神戸大学大学院　経営学研究科教授）