過去の開催記録

第85回ワークショップ

「BSCを再検証する:日本企業に本当に定着したのか?」

日  時
2014年6月8日(日) 13:30~17:00
場  所

神戸大学大学院経営学研究科 本館内(予定)

参 加 費

賛助会員2,000円 非会員10,000円
※学生会員は、学生証をご提示の場合、無料となります。

概 要

長期的な業績低迷や株式市場からの短期利益に対する圧力が強まる中で、多くの日本企業が近視眼的な経営に陥っているように見えます。どうすれば短期の収益性と長期志向の適切なバランスを図ることができるのでしょうか。こうした中で、BSC(Balanced Scorecard)に対する関心が高まっています。BSCは、戦略にリンクした多様な業績指標を活用することによって戦略の効果的な実行を図ろうとする戦略的マネジメントシステムです。財務指標と非財務指標をバランスよく組み合わせることで、将来を見据えた経営を実現しようとするBSCのコンセプトは、明快かつ魅力的なものです。本研究所でも、第36回ワークショップ(2001年12月開催)において、「業績管理は変わる」(座長:谷武幸神戸大学名誉教授)というテーマでBSCを取り上げ、先駆的な導入事例を参照しながら、日本企業におけるBSCの有効性や導入方法について検討を行いました。

それから10年あまりが経過いたしました。近年では、民間の営利企業のみならず、病院や自治体などのBSC導入事例が数多く報告され、BSCが導入期を乗り越え普及期を迎えつつあるものと認識しております。ただしBSCについては、そのコンセプトは魅力的だが実践には様々な困難性が伴うことや多数の業績指標の測定や利用に膨大な管理コストを要することなど、その問題点を指摘する声が時折聞こえてまいります。またBSCを試行的に導入した企業の中には、その後大幅に取り組みを修正したり、中止した企業も少なからずあるようです。本格的な普及期を迎えつつある中で、BSCは日本企業に本当に定着したのでしょうか。BSCのメリットを十分に享受するためには、どういった工夫をすればよいのでしょうか。

これらを問題意識として、今回のワークショップでは、豊富な経験をお持ちのBSC導入の専門家、企業の担当者、研究者をお迎えし、日本企業におけるBSCの取り組みを再検証し、今後のBSC実践のあり方について展望したいと思います。

プログラム

13:30-13:45 問題提起:梶原武久 (神戸大学大学院経営学研究科 教授)

13:45-14:25 ご講演①:森沢  徹 氏(野村総合研究所 経営コンサルティング部
上席コンサルタント)

14:25-15:05 ご講演②:須藤智也 氏(NECソリューションイノベータ株式会社
経営企画部 グループマネジャー)

15:05-15:45 ご講演③:古賀健太郎 氏(一橋大学大学院
国際企業戦略研究科 准教授)

~~ 休憩(15分間)~~

16:00-17:00  パネルディスカッション

パネリスト:森沢氏、須藤氏、古賀氏  
司会:梶原