過去の開催記録

第61回ワークショップ

内部統制報告制度の実りある実践に向けて

日  時
2008年3月16日(日)13:30〜17:00
場  所

神戸大学大阪経営教育センター(中之島教室)2F 講義室

参 加 費

概 要

 2008 年4月開始の年度から、上場会社などに対して、内部統制報告制度の導入が義務化されています。しかし制度の実践を目前に控えた今でもなお、日本の内部統制に関する議論には、しばしば誤解も見受けられます。そこで今回のワークショップでは、この制度の形成や導入準備に関与されてきた方々にお集まりいただき、新制度の正しい理解に基づく実りある実践に向けて、建設的な議論と情報交換を行いたいと考えています。 

 こんにち、内部統制をめぐる問題が広く議論されるようになった背景には、製品の品質表示偽装や粉飾決算など、やむことのない企業不祥事の続発があります。こうした不正の抑止効果を期待して、有効な内部統制の確保に向けた制度整備に、国を挙げた取組みが推進されてきました。2006年5月施行の会社法で、大規模企業の経営者に対する内部統制の整備義務が明記されたこと、また、旧証券取引法を発展的に改編して生まれた金融商品取引法の下で、上場会社などに対して内部統制報告制度の導入が義務化されたことが、その代表例です。 

 この新制度は、経営者に対して、企業の財務報告にかかわる内部統制の有効性に関する評価の結果を記載した内部統制報告書を作成するとともに、その報告書の記載内容の適正性に関して公認会計士などによる内部統制監査を受けることを義務づけるものです。 

 しかし新しい制度は必ずしも正しく理解されていない懸念があります。たとえば、新制度の実践には、画一的な書式を備えた文書類の作成が不可欠だとか、IT業界やコンサルティング会社などの外部専門機関に制度構築を外注せざるをえず、膨大なコスト負担を余儀なくされるとの悲鳴がそれです。 

 このワークショップでは、新制度導入の本来の目的に立ち返りつつ、この4月から有効かつ効率的な制度実践のスタートが切れますよう、関心ある人々の知恵を結集したいと思います。多数の皆さまのご参加を期待しております。

プログラム

テーマ説明
桜井 久勝 (神戸大学大学院経営学研究科 教授)

講演(1) 八田 進二 氏 (青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・
金融庁企業会計審議会内部統制部会長)

講演(2) 東  誠一郎 氏(監査法人トーマツ 関西ブロック本部長)

講演(3) 西村 義明 氏 (住友電気工業株式会社 専務取締役)

〜コーヒーブレイク〜

パネル討議
〈司会〉桜井 久勝
〈パネラー〉
八田 進二 氏 氏
東  誠一郎 氏
西村 義明 氏