過去の開催記録
仕組みで稼ぐ「凄い」会社
- 日 時
- 2003年9月15日(月・祝日) 13:30〜17:00
- 場 所
神戸大学大学院 アカデミア館 504教室
- 参 加 費
概 要
企業が顧客からの愛顧をめぐって競争する場合、その仕方には二つあると言われています。一つが製品を通じて、そしてもう一つが仕組みを通じてです。例えば、メーカーは製品の性能や価格をめぐって市場で競争しているように見えますが、実際の勝ち負けは各社が持つ仕組みの優劣で決まっているという場合も少なくありません。
コカ・コーラ社は日本で好業績をあげていますが、そのことをコカ・コーラの商品力だけで説明することはできません。コカ・コーラ社がここまで業界一位の業績を上げてこられたのは、自動販売機の設置台数が他社を圧倒的に引き離しており、しかもそうした自動販売機で欠品がほとんど起こらない仕組みを構築しているからだと言われています。自社商品を消費者に定価で手軽に購入してもらえる巨大な販売網を持ち、そこで生まれる販売機会を決して逃さない仕組みをコカ・コーラ社は構築している。それが成功の鍵になっているというのです。
コカ・コーラ社とは対照的にヒット商品を出してはいても業績自体は芳しくない企業もあります。ある飲料メーカーは最近大ヒット商品を出しましたが、今でも経営的には苦しい環境にあります。
コンピュータ業界で言えば、i Macをヒットさせたアップルコンピュータ社の業績も決してよいとは言えません。他方で、デルコンピュータはヒット商品を出していないにもかかわらず、好業績を維持しています。それは、同社がデル・ダイレクト・モデルと言われる直販システムを他社に先駆けて構築してきたからです。
以上のように、現代は製品よりむしろ仕組みの良し悪しが市場の成果を決定する時代になりつつあるのです。今回のワークショップはこのような問題意識のもとに、興味深い事業モデルを展開している企業の方々にパネラーとして参加していただき、議論が行われました。基調講演と司会は神戸大学大学院経営学研究科教授の小川進が担当いたしました。
プログラム
13:30-14:40 基調講演
小川 進(神戸大学大学院 経営学研究科教授)
14:40-15:00 コーヒーブレイク
15:00-17:00 パネル討論
中田 康雄 氏(カルビー株式会社 取締役副社長)
奥田 裕久 氏(株式会社エンジン 代表取締役社長)
辻野 隆志 氏(小林製薬株式会社 研究開発カンパニー カンパニープレジデント)
加護野 忠男(神戸大学大学院 経営学研究科教授)
〈司会〉小川 進(神戸大学大学院 経営学研究科教授)