過去の開催記録

第63回ワークショップ

『ビジネス三国志』に学ぶ:市場の潜在性のとらえ方

日  時
2008年9月28日(日)13:30〜17:00
場  所

神戸大学アカデミア館 5階 504教室

参 加 費

概 要

 「歴史」を振り返ることの価値は、目の前だけを見ていると気がつかない可能性に目を開かれることです。ワンショットのマーケティング・リサーチには、この歴史性がありません。
 現在の日本は、総体としては豊かな社会であり、その成長の余地は小さいと見なされています。しかし、個別の企業あるいは事業のレベルで見れば、豊かな社会とは「潜在性」に満ちた社会です。任天堂のDSやWiiに見られるように、この潜在性を掘り起こすことで、企業は販売を大きく伸ばすことができます。
 繰り返し説かれてきたように、イノベーションとは、社会の潜在性を、新しい仕掛けや仕組みで掘り起こすことです。そして、その実現には、「テクノロジー・リスク」と「マーケット・リスク」という、2つのリスクの克服が必要になります。歴史性の問題を抜きにイノベーションを語ることができないのは、この後者のリスクを無視することができないからです。 マーケット・リスクとは、「開発した製品・サービスが、市場で受け入れられるかどうか」というリスクです。このようなリスクは歴史的な経緯に埋め込まれており、その克服には、社会の常識や市場の秩序の枠組みの外側へと関心を広げ、新しい仕組みを実現しようとする、好奇心や厚かましさが必要になります。
 今回のワークショップでは、マーケティングにおける歴史的な複合競争プロセスの分析を「ビジネス三国志」と名付け、この分析のもたらす知見が、マーケット・リスクに挑むうえでのわれわれの知恵や洞察をどのように広げ、深めるかを検討します。そしてそのために、研究者、実務家、編集者といった多様な顔ぶれをゲストに招き、「イノベーションにおける歴史的な経緯や文脈を踏まえることの意義」を多面的に検討します。新製品開発、プロモーション、営業といった、マーケティングに関わる業務に携わる多くの方々にご参加いただきたいと考えています。

プログラム

13:30〜13:45
解  題「複合競争分析の意義と方法」
栗木 契(神戸大学大学院経営学研究科 准教授)

13:40〜
ビジネス三国志1「ファミコン、PS、Wiiの逆転劇」
栗木 契(神戸大学大学院経営学研究科 准教授)

ビジネス三国志2「競争による紙おむつ市場の創発」
西川 英彦氏(立命館大学経営学部 教授

15:40〜
〜コーヒーブレイク〜

16:00〜
パネル・ディスカッション
「複合競争分析の意義と方法」

〈司会〉栗木 契
〈パネラー〉
九法 崇雄氏(プレジデント編集部)
水越 康介氏(首都大学東京社会科学研究科 准教授)
太田 昌宏氏(社会経済生産性本部・主任経営コンサルタント)
ワークショップの全体は、『 ビジネス・インサイト』に掲載されますので、是非、御一読下さい。