過去の開催記録
BtoB情報ネットワーク戦略の次なる展開
- 日 時
- 2006年9月10日(日) 13:30〜17:00
- 場 所
神戸大学大学院経営学研究科 本館306教室
- 参 加 費
概 要
10年ほど前の日本では学術用語でしかなかったBtoB(ビジネス・トゥ・ビジネスの略)という用語は,IT(情報技術)ブームの渦中において「B2Cの次はB2B」という表現などで急速に広まりました。そして現在,IT革命やネット社会というフレーズが流行遅れのように聞こえ,ネットビジネスへの世間の関心もやや冷めたという風潮もありますが,他方で,インターネットは消費生活の中に完全に定着し,ネットビジネスで成功した企業も,成長率ではなく,一般の企業と同じように売上や利益の形で評価されるようになりました。
しかし,こうした成長・成熟のライフサイクルで取り上げられるのは,ほとんどがBtoCのネット事業です。他方でBtoBの事業は,BtoCに比べて大きな市場規模とそれゆえに成長の可能性が期待されながら,革新的なビジネスモデルとして注目されることはあまりありませんでした。
BtoBにおいても,インターネットやイントラネットのような情報技術は,生産や物流の局面における企業間での電子情報のやり取りという形で広く普及していますが,販売,営業の局面でのEC(電子商取引)やITを用いた顧客関係管理(eCRM)となると,BtoCほど単純にはいかないということがしばしば指摘されています。それは,企業間取引ゆえに信頼関係や継続的な関係が重視され,そのために営業担当者によるフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが不可欠となるからです。つまり,そのような人的なコミュニケーションを情報システムに代替することの難しさが大きな障害となっています。
しかし,その一方で,新規の市場を開拓するために,あるいは逆に,既存顧客との関係を深耕するために,また,営業・サービス体制をもっと効率的にするために,現在よりも高度な情報ネットワーク戦略が企業において要求されています。そこでは,単純に人的なコミュニケーションを代替するのではなく,どのように補完的に利用するか,あるいは,どのようなセグメンテーションのもとに行うかが問われています。
そこで,本ワークショップでは,このような問題意識のもとに,BtoBのEC事業やeCRM事業を担当されている方々を講師としてお招きし,インターネットなどの情報技術を利用したBtoB情報ネットワーク戦略の新たな展開やその課題について皆さんとともに議論したいと考えております。
現代経営学研究所第55回ワークショップは、「BtoB情報ネットワーク戦略の次なる展開」というテーマのもとに、去る9月10日に開催されました。会員、非会員を問わず、多数の方々にご参加いただき誠にありがとうございました。今回は、株式会社チップワンストップ,日本ヒューレット・パッカード株式会社,ノバルティスファーマ株式会社からパネラーをお招きし、それぞれの観点からBtoBにおいてIT(情報技術)を利用したEC(電子商取引)戦略やCRM(顧客関係管理)のあり方についてお話しいただき,また,情報ネットワーク戦略の課題についての活発な議論がなされました。この講演の概要や討議の内容は、『ビジネス・インサイト』56号に掲載する予定です。皆様のこの分野におけるご関心、ご理解が一層深まる契機となりますよう願っております。
プログラム
解題
高嶋 克義
(神戸大学大学院経営学研究科 教授)
事例紹介1
高乗 正行
(株式会社チップワンストップ 代表取締役社長)
事例紹介2
谷口 晃司
(日本ヒューレット・パッカード株式会社
パーソナルシステムズ事業統括 eCommerceビジネス本部 本部長)
事例紹介3
松竹 直
(ノバルティスファーマ株式会社 医薬品事業本部 ビジネスサービス統括部
ビジネステクノロジーサポート部
ネットワークコミュニケーション&e-ビジネスグループ)
コーヒーブレイク
パネルディスカッション
司会:高嶋 克義
(神戸大学大学院経営学研究科 教授)