第28巻 第4号(No.112 Winter 2020)
特集
中小企業に役立つファイナンス理論や財務分析とは
森 直哉(神戸大学大学院経営学研究科 教授)
第103回ワークショップ
トップ・インタビュー
変化の中で生きていく
齋藤邦彰(富士通クライアントコンピューティング株式会社 代表取締役社長)
MBA Cafeに集まろう
2020年度の活動と神戸大学MBAポスターセッションについてのご報告
多喜田保志
プロフェッショナルの仕事術
MBAで再び回り始めた学びのエンジン -子どもの頃の夢と4回のキャリアチェンジ
髙井愛子
インフォメーション
経営フロントライン
ハイブリット型アントレプレナーの重要性
アントレプレナーは、通常の自営業者とは一線を画し、事業の創造・変革・成長を通じて社会にインパクトのある経済的・社会的な価値を創出する人物である。つまり、イノベーションの担い手を指す。
科学技術が高度化・複雑化した現代社会では、イノベーションは、いくつもの研究分野や産業分野の垣根を超えた「分野融合」から生まれることが多い。しかし、わが国では、いわゆるエリートでさえ自らの専門分野に閉じこもりがちで、異なる分野間の橋渡しとなる人材に乏しい。また、科学技術上のブレークスルー(発見、発明)をイノベーションにつなげるためには、技術戦略に加えて知財戦略、事業戦略、財務戦略など文系の知識が必須であり、「文理融合」も求められる。つまり、これからのイノベーションの実現には、分野、文理の境界をまたいで往来するハイブリッド型アントレプレナーの存在が不可欠である。産業界もそういった人材を強く求めているのではないだろうか。