過去の開催記録

第19回ワークショップ

グローバル・ロジスティクス -アジア市場における戦略対応-

日  時
1997年9月 27日(土)
場  所
参 加 費

概 要

 調達・生産・販売の諸活動に関わる物流をグローバルな観点よりコントロールしようとする企業は、アジアをヨーロッパ・アメリカに次ぐ第三の拠点としてとらえるロジスティクス戦略を展開しております。その中で、ヨーロッパ・アメリカの戦略が、販売に大きなウエートをおいているのに対し、アジアでは調達重視の戦略が展開されているといわれております。しかし、アジアは地域として広大であるうえに、欧米とは異なって、多様な発展段階にある国々が、不十分なインフラにもかかわらず、工業化を急いでおります。その意味で、世界の中で、もっとも画一的な議論が困難な地域といえます。

 自動車については、アジアはまさに世界のメーカーの戦場です。その中でアジアカーの出現に見られるように、新たなロジスティクス戦略対応が求められております。この問題については、アメリカにおいてトップマネジメントの中枢におられた方に、欧米における戦略の比較をまじえて、最新の革新的事例をご報告いただきました。

 アパレル・繊維については、拠点のアジアシフトが顕著です。とりわけ中国・香港における動向が注目されます。複雑な動きを取る繊維・アパレルについては、長年に亘って、総合商社の立場からこの問題に取り組んでこられたスペシャリストの方に、アジア市場の意義とそのロジスティクス対応について明らかにしていただきました。

 いうまでもなく、製造業のロジスティクス戦略は、国際物流業の協力なくして展開する事はできません。そこで、電機産業の代表事例については、複数の有力なメーカーのロジスティクス戦略に対応しておられる国際物流企業のアジア地域の専門家をお招きし、革新事例をご報告いただくと共に、パネルディスカッションでは、物流業の観点からも広く議論に参加していただきました。

 日本の企業の発展の動向は、ロジスティクス戦略に基づくシステム革新とアジア市場の対応によって決定されます。言い換えると、トップマネジメントがどれ程この問題に関心を寄せているかが重要なポイントです。ワークショップでロジスティクスを論ずるのは昨年の9月に続いて2回目ですが、今回はこのような観点からもアジア市場に接近いたしました。

プログラム