本ワークショップでは、神戸大学サービスイノベーション人材育成推進プロジェクトの成果として、中国の浙江省義烏市を中心に形成された「義烏システム」とも言うべき雑貨供給の仕組みに焦点を当てる。義烏市場では、卸売市場として始まっていながら、製造卸拠点へ、さらには国際流通・コンベンションハブへと発展し続け、産業をけん引し、経済的発展をもたらしている。数十年間にわたる市場の継続的な発展は、規模拡大にとどまらず、雑貨供給のシステム自体の構成要素が多様化し、市場対応が強化されてきている。「百円均一」ショップの製品や、ワールドカップで有名になった「ブブセラ」など、世界中で義烏の製品が日常的に使われている。
こうした世界的にも極めて稀な発展過程を経て、“スーパーシティ義烏”が発展していった経緯を、神戸大学は圧倒的な物量が取引される世界を映像化し、ビジネスのしくみを伝えることに成功した。義烏の発展の中心的な役割を担ってきた、数万点を擁する世界最大の卸売市場である福田市場を中心に、そのビジネスの様子をすべて映像により描きだし、しくみの変化について解説している。中国経済論の専門家である東京大学社会科学研究所　伊藤　亜聖特任助教、義烏市場でビジネスを展開している株式会社グローバルトゥエンティワン 松村勉代表取締役をお呼びし、映像とともに義烏の発展のメカニズムについて議論する。

－プログラム－

■13：30－13：40　　プロジェクト全般と義烏市場のDVDに関する企画趣旨説明

伊藤　宗彦　（神戸大学経済経営研究所 教授）

■13：40－14：20　　ご講演　「「闇市」から「雑貨の殿堂」へ―義烏システムの形成とインパクト」

伊藤　亜聖氏（東京大学社会科学研究所　特任助教）

■14：20－15：00　　ご講演　「義烏システムの仕組み」

松村   勉 氏（株式会社グローバルトゥエンティワン　代表取締役

大阪府立大学観光産業戦略研究所所長補佐　客員研究員

一般社団法人兵庫総合研究所　理事長）

■15：00－15：40　　神戸大学制作DVD「世界の雑貨卸市場義烏市場の興隆」上映

－－－－－15：40－15：50　　休憩－－－－－

■15：50－17：00　　パネルディスカッション

パ ネ リ ス ト：伊藤　亜聖氏

松村   勉 氏

コーディネータ：伊藤　宗彦