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第64回ワークショップ

アメーバ経営の陥穽:導入実態と促進・阻害要因

日  時
2008年12月14日(日) 13:30〜17:00
場  所

神戸大学経営学研究科本館206教室

参 加 費

概 要

 経営学の諸分野においてアメーバ経営が注目を集め、ビジネス雑誌やテレビ番組でもたびたび特集が組まれてきました。2006年には、アメーバ経営を生み出した稲盛和夫京セラ名誉会長の著書がベストセラーとなりました。
 アメーバ経営の導入に関心がある経営者は少なくありませんが、研究成果、出版物、番組では、アメーバ経営導入による劇的な効果ばかりが強調されてきたと言わざるを得ません。そこから「アメーバ経営を入れれば必ず業績が向上する」「導入すれば、京セラと同じ状態が瞬く間に自社内に実現される」という単純な思い込みが生まれている可能性もあります。
 果たして、歴史、業種、規模、人材、ガバナンス、競争環境、ビジネスシステムが異なる企業が、同じシステムを入れたとしても、同じ成果が得られるのでしょうか?一方で、導入のプロセス自体はケースバイケースとしても、企業間に組織の変革を促進、阻害する共通の要因を見つけることはできるのでしょうか?
 経営学には、「優れたデザインを持ったシステムであっても、必ずしも導入が成功するわけではない」という立場から、導入促進・阻害要因(トップのリーダーシップ、組織風土、社内パワー、教育訓練体制、新旧システムの調和など)についての研究蓄積があります。
 ワークショップでは、アメーバ経営の導入企業の方や導入コンサルタントから、組織変革の成果のみならず、そのプロセスにおいてどんな困難や想定外の出来事があったのか、それを乗り越えるためにどのようなアクションを取ったのかということを公開してもらいます。これまで開示されなかったアメーバ経営導入の舞台裏が明らかにされます。
 アメーバ経営を入れるべきか、どうすれば成功裏に導入できるのかと悩む経営者、経営システム導入の実態について学び、組織変革のヒントを得たいと願う実務家、アメーバ経営の導入にたずさわる方々の生の声を聞きたい研究者にご参加いただきたく思っています。

プログラム

13:30−13:50 講 演(1)
「システム導入とシステムデザイン:導入問題とは」
三矢  裕 (神戸大学大学院経営学研究科 教授)

13:50−14:20 講 演(2)
「アメーバ経営導入の概要、促進・阻害要因」
松井 達朗氏(KCCSマネジメントコンサルティング株式会社 取締役)

14:20−14:55 講 演(3)
「アメーバ経営導入実態:荻野工業のケース」
荻野 武男氏(荻野工業株式会社 代表取締役社長)

14:55−15:30 講 演(4)
「アメーバ経営導入実態:アクテックのケース」
芦田 庄司氏(アクテック株式会社 代表取締役社長)

15:30〜 〜コーヒーブレイク〜

15:50−17:00 パネル・ディスカッション
「アメーバ経営の導入について」
〈司会〉
三矢 裕
〈パネラー〉
荻野 武男氏(荻野工業株式会社 代表取締役社長)
芦田 庄司氏(アクテック株式会社 代表取締役社長)
藤井 敏輝氏(KCCSマネジメントコンサルティング 代表取締役副社長)