Facebookや、Twitter、LineといったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の登場は、マーケティングのあり方を激変させているといっても過言ではありません。SNSはソーシャルメディアとも呼ばれ、Web技術の進展により企業と消費者との双方向的なコミュニケーションを基盤として成り立っています。かつて企業と消費者との接点は、企業から消費者に向けて発信されるメディアや、店舗を通じてのコミュニケーションに限定されていました。近年では、ペイド(paid）、オウンド（owned）、アーンド（earned）メディアの概念が広まり、Webを利用したマーケティングのチャネルは、自社の広告媒体、自社の管理下の媒体、そしてソーシャルメディアといった多様なチャネルを利用したマーケティング戦略が主流となってきています。
Web技術の革新は、ユーザー・インターフェースを標準化することを可能にし、その結果として、企業から消費者への一方通行ではなく、消費者側が、消費者同士、あるいは消費者と企業とで相互に情報を伝えあうことが普通に行われるようになっています。マーケティング活動において最も重要な、消費者の心理や行動を掴む、市場トレンドを予測するといったことが、この新しい環境では従来と違った方法で行うことが可能になっています。さらには、かつては企業からのアプローチに対して受け取り側にとどまっていた消費者が、企業と協働して製品やサービスを創り出し、市場を創造するということが起こってきています。
本ワークショップでは、SNSプラットフォームを展開するFacebook社と、SNSを活用したマーケティング戦略で知られるサッポロビール社、さらにWebを利用して顧客アプローチの刷新を図る日本航空社のマーケティング戦略のご担当者にご登壇いただき、ソーシャルメディア活用のマーケティングは従来のマーケティング活動とどう異なり、どのように進化させつつあるのかについて議論を展開します。また、それは企業や消費者にとってどのような意味があるのか討議し、新しい環境下での企業のあり方についてマーケティングを通じて考える場とします。

13：30－13：40　解題　南　知惠子　（神戸大学大学院経営学研究科 教授）
13：40－14：20　ご講演①　鈴木　雄一氏　（サッポロビール株式会社　営業本部営業戦略部デジタルマーケティング室　シニアマネジャー）
14：20－15：00　ご講演②　桑﨑　彩子氏　（日本航空株式会社　Ｗｅｂ販売部Ｗｅｂ・コールセンター　企画グループ　アシスタントマネジャー）
15：00－15：40　ご講演③　須田　伸 氏　（フェイスブック株式会社　マーケティング統括部長）
～　休憩（20分間）～
16：00－17：00  パネルディスカッション
鈴木　雄一 氏、桑﨑　彩子 氏、須田　伸 氏　　 司会：南　知惠子